2017まとめ・絵本で届ける保健室あんしんプロジェクト

出身校や身近な子どもが通っている小中学校の保健室に、’親がこころの病気をかかえている子どもを応援する’プルスアルハの絵本を届けるプロジェクト。寄付する、自分で絵本を購入して届ける、という2つの参加方法で公募し、多くの方にご協力いただきました。ありがとうございました。
第3期の事業報告のタイミングで、プロジェクトの振り返りと、今後に向けてをまとめました。

実績

 

part.1(2016.03)うつ病編 110冊
part.2(2016.07)統合失調症編 80冊
part.3(2016.10.21-11.27)アルコール依存症編 120冊

沖縄から北海道まで全国へ届けました。》マップへ

絵本を受け取った養護教諭の先生方からの声より(Part.3)

・家族がこころの病気をかかえている時、子どもに不登校等、何らかのサインがでている時、学年があがるにつれて子どもに変化が現れる場合があるので、養護教諭、担任ともに、子どもの状況や対応を知っておきたいと思います。
・書籍寄付していただいたことで、”ぷるすあるは”の存在を知ることができ、家族のこころの病気や、子どもの気持ちを知るための絵本があることを知ったので、今後も活用させていただきたいです。ありがとうございました。

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プロジェクトの課題

(1) 届けた先のフォローと検証が不十分

養護教諭の先生からのアンケートの回収率が低く、例えばPart.2ではぷるすあるはからの発送分の回収2/63と、届けた絵本がどのように活用されているのか、活用されていないのかが不明でした。Part.1の後に電話追跡した調査からは、郵送で届けただけでは、ほとんど活用されていない場合も少なくとも1/3程度はあると予想されました。(学校へ勤務時間に電話をして養護教諭へ尋ねるという方法の課題もあり、十分な数や根拠は得られてませんが…)。

part.3では、ひとつの試みとして、次回も絵本を希望する場合は優先的に届けることにして、アンケートの回収率をあげる工夫をしました。教育関係のつながりのある小規模都市を選定し、事前にお願いした上で、お届け後に電話での聞き取りを行いました。上記のような声が届きました。

「自分で届けるコース」では、協力者の方が、届け先の養護教諭や担任などの教員との接点をもちます。届けた際の反応を丁寧ご報告くださる場合もあり、このときのフォードバックは大切な情報です。しかし、絵本のお届け完了報告自体が少ない現状もあります。

このように、寄付でのプロジェクトにもかかわらず、十分な検証が行えていない課題があります。

より効果的に届ける工夫として、教育委員会経由などでの届け方を考える、セミナーなどと抱き合わせる、ぷるすあるはの知名度をあげる、などの提案をいただきました。
届け先の選定にも、一定の根拠とルールづくりが必要と考えています。

(2) オペレーションの負担、広報の限界

プロジェクトの受付、学校のマッチングや発送先の管理、発送、その後のフォローなど、現在のぷるすあるはのマンパワーでは、業務的な負担があり、他の業務との兼ね合いで、実施の難しさがあります。規模を拡大するとしたら、現行のぷるすあるはから個人の支援者へ寄付を募るという方法も含めて、プロジェクトの抜本的な見直しが必要です。

まとめ

2015年夏の養護教諭向けセミナー時のアンケートでは、ぷるすあるはについて知っていたという回答は、2割ほどでした。まず活動や絵本を知ってもらうという意味でも、数ではなく「その1冊」が子どもの安心につながる一冊になっているかも…ということからも、3回のプロジェクトを通して300冊を超える絵本を届けることができてよかったと思います。
上記課題をふまえて、一旦休止し、さらなる展開を温めています。具体的には、「地域版・外部団体/個人主導型」「イベント抱き合わせ方式」といった進化型での実施を検討しています。

◯◯へ寄贈したいですなど、個別に問い合わせいただいたり、寄贈いただくこともあります。ありがとうございます。先生向けのカバーレターなどの献本キットを準備しています。そして本プロジェクトに限らず、養護教諭の先生へのアプローチは継続して行っていきます。