ビジョンと団体概要

精神障がいを抱えた親とその“子ども”を応援しています

 

『ぷるすあるは』は、精神科の看護師、細尾ちあきと、医師で代表の北野陽子が、オリジナル絵本など心理教育ツールの制作・普及のため2012年に立ち上げた「プルスアルハ」を発展させる形で、2015年6月に設立したNPO法人です。精神障がいやこころの不調、発達凸凹を抱えた家庭や、さまざまな事情の中で、頑張っている子どもたちを、絵本やウェブサイトなどの情報コンテンツを通して応援しています。

「必要だけどこれまでなかった」ツールの企画制作や、さまざまな情報発信を通して、精神保健全般に関する普及啓発活動も行っています。

 

ミッション

 

情報コンテンツの力で、精神障がいを抱えた親とその「子ども」へ安心と希望を届けること

ビジョン

 

精神障がいを抱えた親とその「子ども」が、まわりの大人からサポートされ、安心と希望を持って生活できる社会

 

お母さんがうつ病、お父さんがアルコール依存症など、親が精神障がいを抱えたとき*、その子どもたちへの支援は、日本ではこれまでほとんど取り組まれてきませんでした。親の状態について、子どもに対し説明もケアもないとき、子どもは「お母さん/お父さんが具合が悪いのは自分のせいかもしれない」「だれにも話せない、聞けない」などと感じ、ひとりで悩んでいることがあります**。そんな子どもたちへ、「キミのせいじゃないよ」「ひとりぼっちじゃないよ」というメッセージを、まわりの大人の方には、具体的なケアの道筋を届けることが、私たちの活動です。

*精神疾患で医療機関に通院中の人は419万人 (H29年度の統計・患者調査より)

2002年の川崎市の調査1)では、精神障害者福祉手帳を有している人の25%に、2004年の全国の患者会・当事者会に行った調査2)では対象者のうち17.5%に子どもがいました。精神障がいの親がいる子どもについての統計的な研究は日本にはなく、実態が明らかになっていませんが、たくさんの子どもが、これまで、サポートが少ない中で生活してきたと考えられます。

1)川崎市精神保健福祉ニーズ調査委員会(2003):川崎市精神保健福祉ニーズ調査報告書,財団法人神奈川県社会復帰援護会

2)精神障害者九州ネットワーク調査研究委員会(2005):精神医療ユーザーアンケート報告ユーザー1000人の現状・声,精神障害者九州ネットワーク調査研究委員会

**親の病気について65.8%は何も説明を受けていない

親が精神障がいの子どもの立場の方(既成人)34名に行ったインタビュー調査 (親&子どものサポートを考える会)より。同会では、大人になった「子ども」の立場の方の声を丁寧に集めています。子どもたちは、【何が起こっているのかわからない不安を抱え、「○○してもらえないのは私のせい?」と自分を責めたりしていた。障がいを持つ親のことについても、親の障がいのことを知りたいと思っていたし、子どもの力ではどうすることもできない親の症状を、誰かが医療に繋げて欲しいと願っていた】ことを指摘しています
精神障がいを抱える親と暮らす子どもたちに必要な支援とは/土田幸子/親&子どものサポートを考える会/SYNODOS 2014.08.05
2015年調査「親御さんの病気や障がいについて、どんな説明を受けたかったか、どんな言葉をかけて欲しかったかを把握するアンケート」の結果はホームページ上で公開されています。

↑タイトル[+]のところをクリックすると文章が開きます

※とりくんでいる社会課題については、運営しているサイト「子ども情報ステーション」で動画と解説で説明しています。

》『親が精神障害 子どもはどうしてんの?』(外部サイトへとびます)

団体概要

【団体名称】
NPO法人ぷるすあるは

【事業内容】
情報サイト「子ども情報ステーション」の運営
心理教育絵本・ツールの普及啓発
精神保健に関する普及啓発、制作事業

【所在地】
〒338-0012 さいたま市中央区大戸1-14-10-105
Tel 048-717-5639/Fax 048-717-5639

【設立年度】
法人設立 2015年6月1日(任意団体プルスアルハ設立2012年4月16日)

【役員】
代表 北野陽子、理事 吉岡幸子、林昇平、監事 池山允浩
※2022年4月より理事がかわりました

【アドバイザリーサポーター】
芦高聡

【制作担当】
細尾ちあき

【アドバイザー】
犬塚峰子(医師・元大正大学客員教授)
朝倉新(医師・精神保健指定医・日本精神神経医学会専門医・日本児童青年精神医学会評議員)

 

名前の由来・ロゴ・ゴマスキー

 

「ぷるすあるは」は「プラスアルファ」をもとにした造語です。少しの想像力で日々の生活に安心とhappyを、という思いをこめています。

 

ロゴは「つながる」がテーマです。ぐるぐる真似して描きたくなる親しみやすさと、黒のシンプルな表現とをかけあわせたデザインです。

 

プルスアルハ設立時より、マスコットをつとめてきた「ゴマスキー」は、チアキの手編みのあみぐるみです。シリアスなテーマを、温かく、やさしく、発信します。

design:kimura yuriko

設立メンバー紹介

細尾 ちあき

 

制作

[絵本・イラスト]

看護師

1974年 兵庫県生まれ

北野 陽子

 

代表

医師、精神保健指定医

1976年 長崎県生まれ

ごあいさつ

 

サイトにお越しいただきありがとうございます。
2012年、1冊の絵本『ボクのせいかも…─お母さんがうつ病になったの─』を作り上げることからプルスアルハの活動はスタートしました。
それからこれまでに8冊の絵本を刊行し、2022年には、アプリコンテンツとカード教材にも取り組みました。
絵本と並ぶ活動の柱であるサイト「子ども情報ステーション」は、ユニークユーザーが600万人をこえました。たくさんの方にご利用いただいています。

 

2023年は、ゆまに書房から8冊目となる絵本の完成を目指しています。
テーマは、こころのケガ、トラウマです。
近年、こころのケガについての知識や対応を身につけ、「トラウマがあるかもしれない」という視点をもって対応していくトラウマインフォームドケアの必要性が認識されるようになってきています。
そのなかで、長くご縁のある児童精神科医の先生とのコラボで、この企画が動き出しました。
前作、『発達凸凹なボクの世界-感覚過敏を探検する』から、8年ぶりの絵本制作です。
下描きのデバイスは紙からタブレットになりました。絵本や解説は原作の先生とひとつひとつ試行錯誤しながら作る新しいスタイルです。
少しでも役立つアイテムになるよう丁寧に粘り強く制作していきます。

 

そして、ぷるすあるはの中心テーマである、精神障がいなどをかかえた親と家族、その子どもたちの応援に、変わらず粛々と取り組んでいきます。

 

これまで10年をさまざまな形で応援くださったみなさまへ、お礼申し上げます。
2023年もどうぞよろしくお願いいたします。
子どもたちと大人のみなさんの力を信じて。

2023年1月
ぷるすあるは代表 北野陽子

 

※新型コロナウイルス感染症も、国外、国内の状況も毎日の暮らし・生きることと、社会構造、政治とのつながりを考えることが多い2022年でした。目の前の制作に集中しながらも、視点を広げること、広げて制作発信に反映することを意識したいと思います。

 

》事業報告、9期の取り組みについてはこちらへ

@大宮図書館での絵画展にて
『夕焼けの街』
いろんな想像力を大切に…

 受賞歴・活動履歴

  • 2012年10月
    さいたま市ニュービジネス大賞 ソーシャルビジネス賞・女性起業賞
  • 2012年12月
    「ボクのせいかも…─お母さんがうつ病になったの─」刊行
    〜2015年9月までに心理教育絵本7冊を刊行(ゆまに書房)
  • 2014年10月
    日本児童青年精神医学会 2014年度実践奨励賞受賞
  • 2014年10月
    SVP東京 第10回投資・協働先に選出
  • 2015年3月
    内閣府アルコール関連問題啓発ウェブサイト コンテンツ制作
  • 2015年8月
    総合情報サイト『子ども情報ステーション』開設
    (クラウドファンディグで開設資金調達 サポーター150口、213%を達成)
  • 2016年1月
    「ボクは話せない…」作成(非売品)。埼玉県内の全小中学校へ配布
  • 2016年2月
    第12 回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)支援者部門 受賞
  • 2016年2月〜
    絵本で届ける保健室あんしんプロジェクトで絵本を保健室へ寄贈(うつ病編110冊,統合失調症編80冊,アルコール依存症編120冊,感覚過敏編115冊)
  • 2016年6月
    オレンジリボン運動公式ポスターコンテスト2016 最優秀賞
  • 2016年6-7月
    子どものきもち絵本原画展 開催(HAGISO)
  • 2017年3月
    子どものきもち絵本原画展part.2 さいたま市役所市民ギャラリー
  • 2017年8月
    「生きる冒険地図」作成(非売品)
  • 2017年9月
    FITチャリティラン2017 支援先団体に選出
  • 2017年10月
    子どもの気持ち絵本原画展part.3 さいたま市ノースギャラリー
  • 2018年5月
    絵本の電子書籍版を発売(ゆまに書房より、不登校編・発達凸凹編)
  • 2018年8月
    子ども情報ステーションのユニークユーザー100万人、キッズパワーサポーター1,000人を突破
  • 2018年8月
    英語の団体紹介ページを公開
  • 2018年8月
    オンラインストア開設
  • 2018年10月
    絵画展「みえない子どもたちをみる」UBSグループ様主催で開催
  • 2018年11月
    東京都、児童虐待防止啓発ポスターを作成
  • 2019年5-6月
    展覧会「生きる冒険地図ー子ども×チアキ×ぷるすあるは」国分寺カフェスロー
  • 2019年6月
    『生きる冒険地図』(学苑社)刊行
  • 2019年12月
    小平市主催展覧会「だれでもだれかのサポーター」
  • 2020年10月
    『ゆるっとこそだて応援ブック』(ぷるすあるは)
  • 2021年1月
    『いろんなきもちだいじょうぶ。』(展示縮小開催)
    ぷるすあるは絵画展&高次脳機能障害って?
    さいたま市高次脳機能障害者支援センターと共催で開催
  • 2021年8月
    『いろんなきもちだいじょうぶ。』
    ぷるすあるは絵画展&高次脳機能障害って?
    さいたま市高次脳機能障害者支援センターと共催で開催
  • 2021年10月
    子ども情報ステーションのユニークユーザー500万人
  • 2022年2月
    第2回やなせたかし文化賞・大賞を受賞
    『おたすけことてん』アプリコンテンツ(エルワイス)
  • 2022年8月
    『こころとからだ コンディションカード』(合同出版)
    『いろんなきもちだいじょうぶ。』
    ぷるすあるは絵画展&高次脳機能障害って?
    さいたま市高次脳機能障害者支援センターと共催で開催
  • 2022年8月-2023年2月
    『第2回やなせたかし文化賞』受賞者展